大幅なネタバレを含みます。
この作品のテーマについて
謎解き対抗戦の詳細を見て「テーマは時間旅行か~!」と思った私はエキシビション企画のテーマも同じだと勝手に勘違いをし、タイムトラベルものを作ることを決意しました。
手向けの花は時を越える、タイトルが少し物騒なお話です。
時間を越える、という行為は 技術的な問題だけでなく倫理的な問題を持ち合わせています。
バタフライエフェクトのこともそうですが、今回のお話では「そもそも時を越えて後悔をなくそうとすること自体が傲慢である」ということを強調しました。
登場人物たちのせりふにもあるように、過去を自己満足のための道具にすることは善か悪か。それをテーマにしています。
時間軸の整理
時間の前後関係がわかりづらい!との意見があったのでまとめていきます。
ハロウィンハウス、クリスマス前夜の夢、ホワイトデーに花束を (三部作)
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高野マコトの若い頃の写真(2019)(元号の表記あり)がとられたころ
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ネリネ開発者1号の死(彼はハロウィンハウスに登場しています)
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高野マコトによるネリネ開発成功(2050ころ)
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高野みことが里子に(2055ころ)
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高野みこと、ネリネを使用(2069年6月10日)
物語は現在(2019)と未来(2069)が繋がるところからはじまりました。
ビジュアルとか
メインビジュアル、クリア画面、ゲームオーバー画面などはとても力を入れました!
もともとデザイン系が大の苦手だったのでビジュアル制作は本当にきつかったです。
一歩間違えるとすごく重苦しくなってしまうストーリーだったのでできるだけ美しく、儚げなイメージになるようにしたので、ビジュアルに関する感想はとても嬉しかったです。
小ネタたち
作中に登場した小ネタたちの解説です。
・「ネリネ」
別名ダイヤモンドリリー
彼岸花にとてもよく似た花
花言葉は「また会う日を楽しみに」
みことちゃんとおじいさんの気持ちを込めました。
・手向け花
神仏や死者に供える花
・カメラロールの写真たち
上段中央…「ヒプノシスマイク」という声優ラップバトルジャンルの曲です。
上段右…大阪にしか売っていない奇跡のチーズケーキ「りくろーおじさん」の画像です。中毒性が非常に高いです。
中段…すべて私です。おじいさんは若い頃はきっとスマートな眼鏡男子だったのでそういう感じの私をのせました。
・ラストのおじいさんのメッセージ
「スパイ大作戦」のパロディです。
高野マコトの幸福について
三部作、そして本作を通じての裏主人公であった高野マコトは結局、恩師と出会えぬまま、もう一度話すこともできぬまま生涯を終えました。
最後の「あの人は僕の中で永遠になる」という言葉からわかるように、彼は恩師の死を自分のなかで完結させて自己満足で終わらせる道を選びました。それがきっと彼のなかでの最善だった、それ以外に自分を救う道を見いだせなかった。
ゲームとしては最後に「happy end」と出るけれど、結末としては「手向けの花は時を越える」はハッピーエンドではないだろ、と思いながら描きました。
マコトはみことを養子として迎え入れ、恩師の喪失をみことで埋めることで逃避した。
それに対してみことはマコトへの罪の意識に向き合っていくことを決めた。どちらが正しいのかはわからないけれど、それぞれがそれぞれの思うハッピーエンドに向かっていった。
そんな二人の対比が描けてたのしかったです。
しばらくLINE謎は作りたくないな!
では
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